浅草1丁目1の1にて【その名は電気ブラン】

お出かけちゃんねる

我が子が所帯持ちとなり、相手の親御さんと食事会をするため東京に行った時の話です。私は小説はとてもとても書けない人ですが、なぜか小説風になりました。

神谷バーは日本初のバーとして1880年浅草に誕生。
電気ブランは神谷バーの創業者、神谷傳兵衛が生んだロマンの香り漂うカクテル。
当時、電気が珍しかった明治時代に誕生したブランデーベースのカクテルである。

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神谷バーのお店の様子

息子と私たち夫婦が神谷バーに入店したのは、晩酌を始めるにしてはまだまだ早い時間だったのに、その日は週末のせいか、そこが人気の老舗バーだったためか満席の状態だった。

熟年のウェイターさんに空いている席はないか尋ねると、2階のレストランなら空いているとのことで2階を勧められる。

私たち夫婦は2度目の訪問だったが、どうしても昭和の香りがプンプン漂うバーの雰囲気を味わいたくて1階の席が空くのを待つことにした。

満席だったとはいえ、すでに出来上がった人の中にはお店を出る人もいたため、5分と待たずに私たちは席に着くことができた。

あらためて店内を見回すと、そこは期待を裏切らないレトロなバー。女給さんは白い前掛けエプロンを付けていた。

神谷バーのメニュー

メニューはガラスケースの中に陳列されていた食品サンプルを見て大体はわかったが、来店者のだれもがするであろうテーブルのスタンドに立てかけてあったメニューをひと通り見てから夫が食券を買に行く。

神谷バーは一番最初のオーダーは食券制で、追加オーダー分からその都度テーブル席でオーダー、支払いとなるのだ。

のん兵衛の夫は慣れたもので、息子や私の要望を細かく聞くわけでもなく、酒のつまみを適当に見繕ってくれた。

酒のつまみは鶏の唐揚げ、ウインナ・サラミ、海老とアボカドのサラダ、イカリングフライ。どれもオニオンスライスが使われていて盛り付けが小洒落ている。

まるで夢のない話になるが、ここで主婦根性丸出しの私は、家でもオニオンスライスを作ってみようと思うのだった。

その名は電気ブラン

どこのバーでもそうであるように、1番最初に配膳されたのが酒。その名は電気ブラン。電気ブランはアルコール度数が高いため、氷の入った水が添えられていた。そしてチェイサーとしてオーダーしていた生ビールも配膳される。

チェイサーはお酒の合間に飲む飲み物のこと。メインに飲むお酒よりアルコール度数が低いものを指して言う。お水はもちろんジュースや炭酸水、お茶などのソフトドリンクのほか、ビールなどアルコール度数の低いお酒もすべてチェイサーに含まれる。

そしてここ神谷バーのチェイサーは生ビールだった。

電気ブランの味

久しぶりに口に含んだ電気ブランはうたい文句の通りまるで電気が走ったかのような刺激だった。喉を落ちていく琥珀色の飲み物はどこかの彗星が矢のように通り過ぎていく感覚のようでもあった。

そして電気ブランを氷水と生ビール交互に流し込んでいくことで、その電気ショックは和らいでいくのだった。

息子と私たち夫婦はさんざん飲み食いしてからの入店だったため、私は電気ブラン一杯とチェイサーの生ビール1杯の酒が精いっぱいだった。

なのに野郎どもは電気ブランを3杯づつ飲み干していた。

息子が味比べしてみないかと話すので、追加オーダーした普通の電気ブランとオールドタイプの電気ブランを私は少しだけ味見する。

味と喉元を過ぎていく感覚は別のものだったが、何が違うかは私は言い表すことはできなかった。

その日は肌寒い日だったが、外に出ると外の空気は冷たく火照った体にはたいそう心地よかった。

浅草1丁目1-1

話はそれるが神谷バーの住所は浅草1丁目1-1。もし訪問される方は住所表示を確認されるといいと思う。

神谷バーの詳しいお店情報は
【住  所】〒111-0032東京都台東区浅草1丁目1-1
【電話番号】03-3841-5400
【営業時間】11:00~21:00(20:30 ラストオーダー)
【定 休 日】火曜定休
 ホームページはコチラからどうぞ → 神谷バー (kamiya-bar.com)

そして息子と私たち夫婦が体験した電気ブランを自分でも体験したいと思われる方がいたら、ネットでも購入できるので是非試していただきたいと思う。

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